18という君

2018、君はどんな年だっただろう。

 
なんだかんだ僕は君のことが好きだったよ。
 
色々と経験させてくれた。
 
前任は自分と対話しろと言い、あまりかまってくれなかったんだ。
ただ僕はそれはそれで今となればいい地獄だった。
 
そうだな、一年前の僕といえば暗闇を好み、習慣を嫌った僕の踏んで壊した2つの眼鏡の代わりに
家で拾った眼鏡をかけていた頃だ。
今は少し色の入った眼鏡をかけている。気に入ってるんだ。
 
君のしてくれたことを少し振り返ろうと思う。
 
まず、君は僕をあの淀んだ部屋から連れ出してくれたね。
半年前であれば頑なに拒んだはずの労働。なぜか僕はすんなりと受け入れたんだ。
今でもあのコンクリートでできた無機質な壁と時間どおり動く人の群れに感じた囚人の様な感覚と空の青さを覚えてる。
そう、冬だったんだ。
そこからは時間のあまり具合に合わせて色々な女性と関係を持った。
言うならばその前から持っていたが、本当に愛していたのは彼女だけであっただろう。
君も覚えてるかな?
チャットアプリに何の初期設定もしていない彼女が足跡をつけてくれて、僕は話しかけたんだ。
遊びにつかれてただただ話したかった。
話していくうちに旦那が浮気をしていること、精神を崩していること、同じ音楽が好きなこと、お互いが愛しあっていることに気付いたんだ。
それからは君も見ていた通り、毎日のように長文でお話をした。今思えばそれが愛だったんだろうな。
そこからは彼女が二回、僕が一回足を運んで、その度に笑いあい、体を交えた。
大好きだったんだ。
今思い返してみると、最後にあったときの彼女は憔悴しきってたよな。
店員が話しかけても耳に入っていないことだってあった。
それを無視するかのようにいつも通り接してしまったんだ。
そして連絡が来なくなった一人になった。
 
ただ、18。君はいたな。大好きだった彼女の他にも連絡をとってるひとがいた。
三人ほどいて、いまでもお話をしている。
今でも毎晩のように電話をする人もいれば、なにかあったときに報告する人。
なぜかまた話すようになった人。
現実にいない分そういう出会いは大事にしたいんだ。わかるだろう?
 
仕事で言えばその監獄から抜け出し、(監獄で演じる自分は好きだった)新しいものを探しに行ったんだ。
ただまだ完治してなかったのか随分パニック障害になやまされ、人に迷惑をかけた。
そして自分に合う仕事なんて日本にそんなにないこともわかった。
脳科学をもう一回やろうとも思った。だが諦めてしまったんだ。19、君とはそれをしてもいいかもな。
そこからはあまり記憶がない。
ずっとこの渋谷の日も人の会話も届かない椅子のあるウォークインクローゼットにいたんだ。
おかげで学費を稼げて精神はあんていしてきた。
その引き換えかもしれないが一年間ほぼ休み無しで働いてきた母親が体調を崩して死にそうだ。
あと三年は持つかと思ったがもう長くないかもしれない。
いつ逝ってもいいように心づもりをしないとね。
僕らは止まれないんだ君は19になるし僕も20になる。時は止まってくれないんだ。
止まったら死ぬんだ。そう胸に刻んで生きてきただろう?覚悟をもて。
 
人との関係でいうと、新たにツイッターで、インスタグラムで大切な人ができたんだ。
 
僕らはお互いを心配しあい、お互いの幸せを願っている。
こんなに幸福なことはないよ。18、君は僕の幸せを願ってくれてたのかな。
 
31日。君とのお別れの日が来ても僕には未だにわからない。
ただ一つ言えることと言えば今、僕は心のそこから幸せだと言える。
それは君のくれたものだ。ありがとう。
 
君の最後の最後でくれたもの中で芸術や文学といったものがある。
 
 19とはそこらへんを旅しようと思っている。
そうだ、今度19と秋田の温泉に、大切な人の故郷に、大切な人に会いに行くんだ。
残念ながらこのプレゼントをくれた君とは行けない。
でも僕はしっかりと土産を持ってくるよ、君が好きそうなものをね。
 
もう会えない君にしっかりと渡すよ。そしてもう会えない君にはここに来て君と語らうんだ。
 
毎年、あるいは毎月、十数年に一回。もしくは他に会う奴らのついでかもしれない。
けど必ず会いに来ると思うんだ。僕は君のことが好きだからね。